看護師も頻繁ではないにしろ、部署異動があります。異動を希望する人もいれば、異動を拒否する人もいます。
正解はないですが、異動が嫌で拒否したいと考える看護師にとってはそれが辞めることを意識する原因となり得ることがあります。
病院はなぜ異動を持ちかけるのでしょうか。そこも踏まえて考えてみたいと思います。
部署異動を拒否したい!看護師辞める理由は部署異動?
看護師 部署異動したくない
看護師の部署異動は多くはありません。
しかし、異動があることは間違いないのです。
異動もさまざまな場合がありますが、概ねは経験をある程度積んだ看護師の更なる成長を考えて、打診されると考えられます。
ですが、異動したくないと考えている看護師も多くいるのが実情です。
今の仕事にやりがいを感じている
経験を積んで、今のポジションで働くことの意味・意義を感じ、やりがいを持っている看護師からすれば、異動はモチベーションを下げるものでしかありません。
いくらあなたの為と言われても、やりがいを搾取されることに変わりませんから、理解がない職場であるとマイナスイメージを植え付けてしまいかねません。
異動先にやりがいを感じない、興味を持てない
看護師として働いていくと、自分の適性について考えるようになります。
内科・外科、急性期・慢性期・終末期、外来・病棟・手術室など自分の興味・やりがいを感じるところで働きたいと考えるようになるため、その逆を行く異動の打診は自分を否定されたような気分になりますし、認めてもらえないということを突き付けられたと思ってしまいかねません。
そのような場所で力を発揮できるとは思えないので、拒否したいと考えます。
人間関係に問題がある
部署の異動先の人間関係について、問題があると知っていれば、わざわざそのような環境に行きたいとは誰も思いませんよね。
看護師の労働環境では、必ず人間関係問題が出てきます。
いじめや嫌がらせがあったり、気分屋や無視する人がいたり、指導がないなどたくさん拒否したい理由は出てくるかもしれません。
看護師の部署異動を行う意味
なぜ、看護師の異動が行われるのかを考えてみましょう。
看護師の能力の拡大
ひとつの部署に長く勤務することで、その部署の知識・技術は習得され、精度も素晴らしいものになると思います。
しかし、その他の部署については知らないことがあり、知識・技術の偏りがうまれてしまう場合がありますから、その偏りをなくすため異動を行い、看護師の知識・技術が拡大されるように、マネジメントすることが目的です。
経営者から見れば、スペシャリストがいることは素晴らしいが、そのスペシャリストにしかできないことが多いと、スペシャリストがいなくなってしまったら立ち行かない!と思うのが当然です。
そのため、どの部署も経験を持っていて、業務が滞りなく病院運営が行えるように考えた結果が異動することに繋がるわけです。
キャリア形成
能力の拡大と近いですが、スタッフのキャリアアップを目的とした異動もあります。
面談などで今後のキャリアについて相談などしていた場合に、そのキャリア形成を目的とした異動を打診される場合があります。
看護師からすれば希望する形の異動となり、ポジティブなものといえます。
風通しを良くする
同じスタッフで長く勤務すると、その場の空気というか、雰囲気が決まってしまい、関係性もなあなあになってしまう場合があります。
そのような悪い雰囲気を予防するため、スタッフの入れ替え(異動)を行うことで、雰囲気の変化を起こして、良い環境を作ることを目的に行われることもあります。
特に、師長や主任といった管理職が異動する場合には、それらの使命を担っていることが多いことでしょう。
どうしても部署異動は拒否したい
異動について受け入れられない場合にはどうしたらいいのでしょう。自己都合で断っても病院への印象がよくありませんから、上手に対応しましょう。
今の部署でのやりたいこと、学びたいこと、やりがいを伝える
「仕事を任されるようになり、更にその仕事の内容を深めて、成長する過程にある」とか、
「専門分野について知識を深めて、資格を取得したいと考えている」とか、
あくまでもあなたのワガママで異動について拒否しているのではないということが伝わるように伝えます。
そして、今の部署にいることで病院にとっても有益であると認めてもらえれば異動の話はなくなることでしょう。
看護師の部署異動の場合には、退職も考えていることを伝える
いきなり「部署異動するなら、辞めます」と言ってしまっては交渉の余地がなくなりますから、余程の決心がある人以外はNGです。
「今の部署で学びたい、やりがいがあるので、異動というお話ならば退職についても視野に考えさせてください」など、自分はここで働きたいが、それが難しいようであれば、最悪退職を考えていると伝えることで、異動の話を考えなおしてもらうきっかけを作ります。
もちろん、これだけで確実に異動がなくなるわけではないので、あくまでもお願いといったところでしょうか。
誰もが納得する理由を伝える
理由として調整がききやすいと言われるのは、家庭の問題です。
家族の介護、子育てなど、無理強いできない内容については、十分考慮されると思いますので、しっかり伝えるようにしましょう。
契約時の内容を伝える
中途採用者の場合、病棟勤務の募集で就職といったように、目的の部署で就職している場合もありますから、「契約時にはその説明は受けていませんでしたので、検討させてください」といったように契約・面接時の内容を確認するように伝えてみるのも手です。
しかし、これも就業規則に「異動については原則拒否することができない」といったような文言がある場合もあり、強気に押すにはリスクがあるかもしれません。
看護師の部署異動まとめ
いかがだったでしょうか?予期せぬ異動に驚いている看護師もいるでしょう。
その際に、自分はどのように今後のキャリアを考えているのかで行動は変わってきます。
退職の話は、基本的には最終手段と考えてください。
病院として見れば、単に異動したくないだけなんじゃないかと勘繰られることも十分に理解した上で、それでも自分のゆるぎない答えがある状態で交渉として行ってください。