看護師にとって異動がつきものです。
そうはいっても、知らない部署に突然行くことを命じられるなんてドキドキしますし、新しい人間関係や、新しい診療科に戸惑うかもしれません。
そんなみなさんに向けて、異動で慣れないときの対処方法をご紹介したいと思います。
看護師の異動で心構えをしよう!慣れない時の対処方法とは?
なぜ看護師に異動があるのか
どんな会社でも異動はありますが、一定の規模以上の病院に勤めている看護師にとって、異動はしばしば経験することです。
一般的には新卒3~5年目で最初の異動が命じられることが多いと思います。
看護師にとって、どうして異動があるのでしょうか。
看護師のジェネラリスト養成
この20年ほどの間に認定看護師など特定の分野に精通した、いわゆるスペシャリストが養成され、各病院にも増えてきていると思います。
とはいえ、圧倒的多数は、そうではないジェネラリスト看護師であり、今後もこの傾向は続くでしょう。
なぜなら、看護師は、患者の全体像をとらえ、かかわっていく役割があり、そのために、多職種の介入を理解し、つなげていくマネジメント能力が求められているからです。
そのためには、単に特定の領域に精通しているだけではなく、様々な診療科、病期に対応でき、組織内のうごきや社会制度まで踏まえた看護計画や退院支援計画を立てていく必要があります。
こうした事情から、看護師の育成という点で、単一の診療科に長年所属させるよりも、定期的に異動してもらい、様々な状況に対応できるように育てていく方針の病院が多いのです。
組織の風通しをよくする
どんな組織でも、同じ人が長年続けていると、部署の風通しが悪くなります。
新しい取り組みをやりにくくなったり、特定のグループができたりして、師長より影響力をもったり、新しく来た人を受け入れなかったりするケースが多くなります。
そこで異動により、スタッフをシャッフルし、組織の風通しをよくする狙いがあるのです。
異動というと、人間関係から切り離されるというネガティブな面に目が行きがちですが、必ずしも、現状の部署の人間関係がよいとは限りません。
そういうときに異動があることで、人が入れ替わり、部署の雰囲気が変わる可能性があるのです。
看護師の異動への心構え
異動に大切なのは、心構えだと思います。
それを一言でいうなら、異動を前向きにとらえることが大切です。
- 成長のチャンス
慣れない部署に異動するのは、最初は不安感でいっぱいかもしれません。
ですが、組織の方から成長のチャンスをくれているととらえることもできます。
どうしても一人だと、慣れた環境に浸ってしまいがちですが、異動することによって、半ば強制的に新しい環境にチャレンジすることになります。
なじみのない診療科や新しい人間関係形成に最初は負荷がかかりますが、これを乗り越えることで自信を持つことができます。
外からの視点は貴重
異動によって、外からの視点を得ることができます。
それまでは、自分の部署しか知らず、その部署を良く思っていたにせよ、悪く思っていたにせよ、どうしても視点が一面的になりがちです。
しかし、異動することによって、新たな部署を外の視点からみることができます。新しい部署の良い点、悪い点を客観的にみることができるのです。
反対に、いままでいた部署の良い点、悪い点を冷静に見られるようになります。
こうした視点を身につけることで、多面的に状況をとらえられるようになり、看護師として大きな成長につながるでしょう。
日ごろから異動を意識しておく
異動ということを上司から聞いて初めて考えたり、驚いたりするのではなく、日ごろからいつ異動になってもいいように心の準備をしておきましょう。
具体的には、日ごろから異動するならどこに行きたいかを上司を伝えていくのがよいでしょう。
また、いつ異動になってもいいように、自分の任されている委員会や係などもすぐに引き継げるようにしておくことが大切です。
看護師が異動を命じられたら
いざ異動を命じられたら、異動先の情報を収集していきます。
異動先の診療科の分野の学習を進めたり、人間関係などを理解するように努めていきます。
様々な不安があると思いますが、笑顔と前向きな姿勢が何より大切です。
看護師部署異動まとめ
異動について、積極的で前向きな姿勢の大切さを説明してきました。
もちろん、異動が嫌な人が少なからずおられることは理解しています。
看護師として様々なモチベーションで働いている人がおり、異動の負担を重すぎると感じる人もいるでしょう。
しかし、今回異動の積極的な意味について知ってもらい、そういうことならがんばってみようかなと思える方がいてくれたらうれしく思います。
看護師という資格は色々な活かし方があります。
組織の中で、成長し、活躍するという点では、異動はぜひとも活用したい仕組みだと理解いただけたらと思います。