看護師業界は常に人手不足ですから、仕事をしようと思えば、「明日からでも来てください」という職場は少なくないと思います。
しかし、それがいい職場かといえば、疑問に思う場合も少なくありません。仕事の割に給与が見合っていない、残業が多い、人間関係が悪いなど様々な働きにくさに直面していまいます。
そのため、ただ仕事さえあればいいということではなく、いい職場を選んでいくということが重要なポイントになります。
今回は、いい職場選びに必要な情報について一緒に考えていきましょう。
看護師の転職で何に迷う?いい職場選びに必要な情報とは?
転職で迷うこと
仕事がきつすぎる、給与が見合っていない、人間関係が悪いといったやむを得ない事情か多くの人は転職を考えます。
ただ、一度でも転職を経験した人ならば少なからず感じることだと思いますが、理想の職場はなかなかないということです。
多少とも給与がよい職場では、残業が多く、人間関係がギスギスしている場合があります。
あるいは、人間関係は悪くないけど、とにかく給料が安すぎるという風に、すべての条件を満たした職場というのはなかなか見つかりにくいものですよね。
では、一体何を基準に転職先を選べばいいのか、と迷うことになってしまいます。
また、特に地方都市などでは、どの病院もそれほど大きな違いがないような気もしてしまいます。
実際、同じ地域では、同じような給与体系を取っている場合が少なくありません。
それでも、今の職場よりはマシな職場を求める人は意外とたくさんいるのではないでしょうか。
どんな職場で働きたいか
職場選びで最も重要なことは、自分がどのような職場で働きたいかを突き詰めて考えることです。
別に、根詰めて悶々とする必要はありません。
自分にとっての理想をできるだけありありと描いていくのです。
最初はうまくいかないかもしれません。
多くの人にとって転職動機は、今の辛い現状から立ち去りたいという思いですから、自分にとっての理想の職場を追い求めることに慣れていないのです。
もちろん、なんとなく看護師になった人、手に職をつけとけば安心だろうと言われてきた人にとっては、”理想の職場”などと言われると構えてしまうかもしれませんし、自分にはそんなの無理と思うかもしれません。
しかし、なんとなく現状よりマシな職場を求めて転職した場合、どうしても、別の不満が出てきます。完璧な職場はないからです。
もしあなたが、そういう不満を持って働きたくないのであれば、少しずつでいいので、自分にとっての理想の看護師像や、働き方をイメージしていくことをお勧めします。
あなたの理想がはっきりとしたものになればなるほど、それに関連した情報が集まってきて、自然と候補となる転職先が現れてきます。
現実的に考えるのは現実的か
理想ばかりが先行しても、現実的に考えていかないとまともな就職先が見つからないのではと疑問に思う人もいるかもしれませんね。
ただ、私たちが、現実的に考えるという場合には、すでに自分の中でいくつも制約をつくってしまっている場合が少なくありません。
この地域でとか、この時間で、この給与で、この職務でと狭い枠組みの中でいい職場を探そうとすると、どうしても限られた職場しかみつかりません。
もちろん焦点をしぼって職場を探すことは大切ですが、しぼる前に、視界を広げていく、あるいは別の視点で探してみることが先ではないかと思います。
アンテナを張る
転職には、アンテナを張って、しっかりと情報収集することが重要だと言われます。
しかし、患者さんのアセスメントを思い出してほしいのですが、ただ闇雲に情報を集めても、患者さんのゴールは見えてきませんよね。
患者さんの抱える課題だったりゴールを、患者さんの心身の状態、言動や家族との関係などから推測して、「こうじゃないかな」と想像し、仮定することで、初めて情報を統合していくことができます。
たとえ、最初描いたその仮定が違っていたとしてもいいと思います。その場合は、仮定を修正し、新たな患者の全体像を更新していけばよいのからです。
この全体像をまず描くことが大切です。全体像があることによって初めて個々の情報が活かされてきたり、不足している情報が見えてきます。
目指すべきゴールがあって初めてあなたに必要な情報が集まってくるのです。
ですから、情報収集はゴールありきなのです。
あなたのゴールが明確になればなるほど、転職先は自然と絞られ、決まっていきます。
決めるのではなく、決まるというのがポイントです。
アンテナを張るということと、ゴールを決めるというのとは、ほとんど同じ意味です。
転職にまよっている看護師まとめ
ここまで、転職において、自分にとっての理想の看護師像、理想の職場像を描くことの大切さを説明してきました。
何か正解があるわけではありません。こういう職場にしたらよいというアドバイスはたくさんあると思いますが、それが自分のゴールに見合っているかどうかは自分にしかわかりません。
ぜひ、楽しさやわくわくする感じを膨らませて、あなただけの理想の看護師像を描いてみてください。