女性が圧倒的に多い看護師は、様々なライフイベントによって退職し、長いブランクができることは少なくありません。
結婚や出産、子育て、夫の転勤などによって、看護の現場から離れていた方が、再び現場に戻ろうとする場合、心理的にもハードルが高いですよね。
就業していない潜在看護師は70万人以上いると言われており、日本看護協会も様々な復職支援をしています。
こうしたサービスも活用しつつ、ブランクを乗り越えるための方法をお伝えしたいと思います。
看護師に復帰するのが怖い!ブランクを乗り越える方法
まずは情報収集から
せっかく持っている看護師の資格を活かして働きたいと思っても、現場から離れて年月が経つと、知識や技術が古くなっているのではないか、若い人とやっていけないのではないかなど、様々な不安がよぎりますよね。
脅すわけではないですが、心配されている通り、たしかに、医療技術は日々更新されており、現場で働いていても数年前のやり方が通用しないという状況です。
けれども、一方で看護の本質の部分は変わっていませんし、昔からずっと同じような状況が続いている部分も案外あります。
そうした部分をとっかかりにして、新しい知識を吸収していけば、病棟でも十分働いていくことができます。
ですから、まずは、情報収集から始めましょう。
最初の一歩は、看護協会や医療機関が実施する復職支援セミナーに参加してみることです。
こうしたセミナーでは座学だけでなく、実技もありますので、現場の感覚を取り戻すには最適です。
実は、2015年より、離職する看護師は、都道府県のナースセンターに登録する努力義務が発生しています。
看護から離れていて知らなかった人は、まずはナースセンターに登録するところから始めるのでもよいと思いますので、窓口で支援制度について聞いてみてはいかがでしょうか。
家族との協力、時間を管理
さて、いよいよ働き始めるとなった場合、やはり、家族との情報共有、協力は大切だと思います。
それぞれのご家庭で、それぞれの事情があるとは思いますが、いつも家にいたあなたが、仕事を始める、もしくは、慣れない仕事に就くとなると、少なからず家庭に影響を及ぼします。
もちろん、よい影響もたくさんあると思いますが、家事の分担や子どもの生活への影響などを考慮し、対策を講じておく方がよいでしょう。
最初の数か月は、毎日とても疲れると思いますので、家のことはこれまでの半分もできないと、あきらめた方がいいと思います。
決して無理せず、家族が元気ならOKくらいの気持ちでいきましょう。結婚されている方であれば、夫との家事分担はぜひともしてもらいたいところです。
勤務時間についても、ブランクが長い場合は、最初はフルタイムよりも時短勤務などから始めた方が無難でしょう。
安易に就職先の提案をうのみにせず、家庭との両立をするために無理のない勤務時間にしていきます。
そのためにも、復職支援への理解が高く、教育・研修に力を入れている職場を選ぶことが大切です。
現場ではとりあえずポジティブに
できなかったらどうしようとか、先輩看護師が怖かったらどうしようとか、様々な不安と恐怖から最初は緊張の連続かもしれません。
ですが、実際のところ、それほど心配はいりません。
古くなった知識や技術は、新たに更新すればいいだけのことです。たとえ、病棟で働くとしても、新人もいれば、異動したばかり、転職してきたばかりの人もいますし、なんでも知っているベテランもいます。
あなたを迎えることで、職場の多様性は広がります。
あなたが看護師をしていない間に経験していたこと、子育てや家事といったことは、看護の現場でかならず役に立ちます。立たないはずがないと断言してもいいです。
たしかに、電子カルテや医療用語、器具、薬剤などを覚えていく、思い出していくのは最初は大変かもしれませんが、最近はスマホという便利な道具がありますので、どんどん調べていけばすぐに答えがわかります。
電子カルテも使っていれば、そのうち必ず慣れますので、どんどん人に聞いていけば大丈夫です。
あえて助言させてもらうとすれば、笑顔であいさつと、わからないことはどんどん聞くという二つを欠かさないことでしょうか。
技術や知識よりもこの2つができることが、何より大切。
特に現役時代にバリバリ働いていた人は、昔の知識や技術で分かっているつもりになったりしがちです。
反対に、分かってて当たり前じゃないかと思われるのが、不安だったりして、あまり周りの人に聞かないこともあるようですが、その知識や技術は古くなっていますので、かならず聞いてください。
また、分からないこと自体は恥ずかしいことではありませんので、どんどん聞いていきましょう。
あとは、難しいかもしれませんが、できるだけリラックスして笑顔で働いてください。
あなたの笑顔で癒される患者さんがたくさんおられます。
看護師の復職 ブランクの乗り越え方まとめ
ブランクに不安を感じつつも、看護師復帰を考えているあなたの背中を少しでも押したくてこの記事を書きました。
ぜひ前向きに、根拠なき自信をもって一歩を踏み出してください。