看護師のやりがいってなんでしょう。
やりがいの辞書的意味は、「事に当たる際の充足感や手応え、張り合い」(実用日本語表現辞典)ということ。
看護学校の授業では、よく先生が辞書での意味を黒板に書いていたのを思い出して、調べてみました。
看護師にとってのやりがいとは何かといえば、やはり患者さんや、患者さん家族に関わる中で、自分が意図した反応を得られた場合や、それによって感謝された場合などに感じることが多いでしょうか。
あるいは、新人であれば、業務がスムーズにできるようになったこと、アセスメント力の向上を実感できたときなど、看護師としての成長を感じたときにも確かな手ごたえがあるのではないでしょう。
とはいえ、現状の仕事にやりがいを感じられない看護師が、少なからずおられます。
どうしてなのか、少しわけて考えていきたいと思います。
看護師でやりがいがない!楽しくない状況から脱出する方法!
やりがいを感じない状況
忙しすぎる
忙しいといえば、急性期を思い浮かべますが、いまや慢性期であろうと、看護師は忙しいです。
高齢化がどんどん進み、一般病院にも多くの認知症の患者さんが入院します。
安静の指示を守れなかったり、点滴を抜いたり、転倒したり、一人二人ならまだしも、かなりの人数を見守らないといけません。
夜勤ともなれば、少ない人数で夜眠れない高齢者の相手をしつつ、緊急入院をとりつつ、必要な業務をこなしつつと、てんてこ舞いです。
そんな状況にもかかわらず、転倒事故でも起きようものなら、医師にも家族にも叱責され、誰も慰めてくれません。
こんな状況でやりがいを感じられるはずはありませんよね。
給与・待遇の悪さ
こうした看護師の忙しさは、なかなか評価されません。
看護部は理解は示すものの、経営層に対する発言権は強いとは言えませんし、どうしても、現場での創意工夫を求めてきます。
とはいえ、ただただあわただしく過ぎていく毎日で疲弊しているのに、創意工夫もできるものでしょうか。
まずは、給与や待遇を向上させるという誠意をみせることで、この大変さをねぎらってほしいものです。
給与はそのままにして、がんばれだけでは誰もがんばれません。
成長を実感できる機会が乏しい
教育指導体制が機能していない病院は案外多いといえます。
形ばかり整えても、実感レベルで看護技術のスキルアップを感じられる人は少ないでしょう。
看護技術にせよ、アセスメント力にせよ、きちんとした訓練と評価を繰り返してもらいながら、身についていくものです。
そうした機会を与えられず、形式的に技術確認され、できるからやってと任されていては、自身にもつながりませんし、不安しか残りません。
やる気のない同僚にうんざり
どこの病棟にも存在するとはいえ、ネガティブな言動で職場の士気を下げる人々はやっかいです。
ネガティブな言動は、職場の雰囲気を破壊する力がありますから、上司はコントロールしなければなりません。
しかし、それが機能していない場合、ネガティブな雰囲気がどんどん病棟を支配していきます。
やりがいのある職場で働きたいあなたならば、そんな場所では働きたくないはずです。
旧態依然とした医師中心の職場
かつてほどじゃなくても、医師の意向ひとつで方針がころころ変わる病院は少なくありません。
大病院でなければ、医師不足の状況で、経営層も看護部も強く言えないのです。
ルールを守らず、自己ルールを押し付けてきます。そのルールがその医師の中で一貫していればまだしも、まったく一貫性がなく、看護師を混乱させますし、その混乱を看護師のせいにしてくるのです。
最近はあまりあからさまに威張り散らしている医師は少なくなりましたが、一見柔和な感じだけど、勝手な自己ルールで看護師を振り回す、俺様医師の存在は、じわじわと、確実に看護師のやる気を削いでいきます。
転職
こうした職場で働いていて疲弊し、やりがいを失っている看護師に対するアドバイスとしては、残念な思いもありますが、転職を勧めるしかありません。
なぜなら、これらの問題は、個別の問題ではなく、病院の方針によって引き起こされているからです。
それでもいいからと働く看護師もいるでしょうが、やりがいを求め、楽しく働きたい!という健全な欲求が残っているうちに、よくない環境から離れることは正しい行動だと思います。
ただし、転職の際には、転職先を慎重に見極める必要があるのは、言うまでもありません。
こうしたやりがいの問題は、単純に給与や休みの多さといった数値化されている部分だけではわからないから。
やはり実際に面接を受けてみたり、見学をしにいったりして、自分なりの基準をもって厳しく観察することが重要です。
転職エージェントからどんどん情報を引き出していく貪欲さも大切でしょう。
看護師でやりがいがない!楽しくない状況から脱出する方法まとめ
看護師のやりがいとは?考えさせられますね。
看護師が転職するのは、よくあることですが、目標やスキルアップを目指しての前向きの転職が成功の秘訣かも知れません。
理想に近い病院、病棟に出会えるといいですね。
あなたがやりがいをもって、楽しく働けるような職場を見つけられることを心から願っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。