看護師の現場は厳しく、辛いことがありますし、何らかの理由で退職する人は多いと思います。
多くの人が、退職と退職手続きを経験しますよね。
看護師が退職する時、退職手続き上、どのようなことに注意すればよいかお伝えしたいと思います。
看護師を辞める時は電話はNG!綺麗に辞める方法を知ろう
看護師が退職するとき、電話で退職の意向を伝えるのは、やめたほうがいいと言えます。
それはなぜか、見ていきましょう。
看護師に退職・転職はつきもの
毎年、多くの看護師が退職していきます。
他のコメディカルと比べてみても、退職する人が多いように感じますよね。
ひとつには、女性が圧倒的に多い職業であるということで、結婚や妊娠などのライフイベントを機に退職する人が多いです。
また、退職したとしても、慢性的な人手不足により、いつでも働く場所が見つかる状況があり、退職のハードルが低いのもあるでしょう。
さらに、こうした女性中心の職場や人手不足による多忙さという状況などによって、独特の人間関係の窮屈さや、過重な仕事量といった問題が発生していることも退職が増える原因かもしれません。
もちろん、給与などの待遇面への不満もあるでしょう。
このように、退職がありふれている看護師という仕事ですが、その退職自体は決して気楽にできるものではありません。
人手不足の中去っていくので、上司から引き留めもありますし、自分自身もうしろめたさを感じてしまいがちです。
看護師が苦労せずして、いまの職場を綺麗に辞める方法はあるでしょうか。
退職手続きの進め方
どんな仕事でも共通しますが、退職の進め方にはルールがあります。
最も重要なルールは、労働基準法と民法という法律です。
この二つの法律では、次の重要なことが定められています。
・退職するのは、自分の意志で自由に辞められること。
・退職するには、2週間前までに退職届を提出すればよいこと。
たとえば、上司が、「今は人が少ないから辞めたらいけない」、「産休に入る人が多いから来年まで待って」などと退職を留まらせる、あるいは延期させるということは、法的にはできないということです。
退職は、完全にあなたの自由であり、そのためのルールは、辞める2週間前までに、退職届を提出することだけです。
いかがですか。とてもシンプルですよね。
ですから、もしあなたが切羽詰まった状況におかれ、すぐにでも辞めたいと思うならば、この法律に基づいて退職届を提出することで、病院側は拒否することはできないのです。
ただ、綺麗に辞めるということを考えた場合、上記の方法は、唐突な印象を持たれても仕方ありません。
もし、もう少し円満にということであれば、法的な拘束力はないけれども、社会通念上守るべきとされているルールに則っていきましょう。
法律にしたがって、職場の同僚や患者さんのことを考えずに、一方的に退職するのは、社会人としてあまりおすすめできません。
退職時では、最低限周囲への気遣いはしたいものです。
就業規則と社会人マナー
どの施設でも就業規則、あるいは雇用契約書があると思います。
説明されていないという方も確認してみてください。
この就業規則には、退職についても明記されており、多くの施設では退職の1カ月~3カ月前までに、退職の意向を表明することを求めています。
基本的には、この期間を守って退職の意向を上司に伝えましょう。
また、たとえば、ある日突然連絡が途絶えて辞めてしまうというのは、社会人としてマナー違反になります。
法的に問題がなかったとしても、相手に不快な思いをさせますので、よほどのことでない限り避けましょう。
こういう一方的な退職で、職場に迷惑をかけてしまうと、狭い業界ですので、噂が回りまわって、次やその次の転職で苦労しないとも限りません。
直接会って上司と話をする、退職届を提出する、辞める時は挨拶をする、引継ぎをするといったことは、綺麗に辞めるためには大変重要な礼儀です。
電話で伝えるのはNG
退職の意向を電話で伝えるのは、NGです。
相手に対しても失礼ですが、あなた自身を守るという点からもよくありません。
退職の意向というのは、原則書面がよいでしょう。
一般的なフォーマットで退職届を書いて提出します。
どうしても会いたくない、話したくない状況があるならば、内容証明郵便やメールで送ります。
いまは、退職代行というものもあります。
精神的にどうしても対面で退職を伝えられないなどの理由があれば、退職代行を使ってみるのも、一つの方法かと思います。
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これは、弁護士が、本人に代わって職場に退職の意向を伝えて、手続きも代行してくれる、というものです。
ただ、これは困ったときの最終手段にしましょう。
電話で退職を伝えるのは、トラブルの元になることも
電話での伝達に話を戻しますと、電話だと、録音でもしていたら別ですが、証拠が残りにくいので、退職の意向を言った、言っていないという話になりやすいのです。
電話だと、対面での情報伝達に比べて、表情などでのニュアンスの伝達が難しいので、伝わる情報量も少なく、解釈の違いという余地が発生して、トラブルに発展する可能性が残ります。
また、先ほどのマナーと関係しますが、電話で伝えるのはマナー違反になります。
こうした対応は、案外転職先にも伝わってしまいがちです。
転職先の職員と退職した施設の職員が知り合いで、噂として広まることもありますし、転職先の病院があなたの人となりを確認する場合もあります。
ですから、こうしたルールを守るのは、あなたのキャリアや信頼を守ることにつながります。
看護師が退職する際の注意点まとめ
看護師が、いまの職場をスムーズに退職する方法についてお伝えしてきました。
退職という選択は、誰にでも仕方なく到来するものでもありますし、新たなステップとして、前向きに選択するものでもあります。
しかし、退職される病院側として、あなたを引き留めたいと思うのは当たり前の心情です。
ですから、もし引き留められたとしても、それはむしろ、あなたを必要としてくれているのだと前向きに捉え、感謝の気持ちをもって退職手続きを進めていきましょう。
感謝の気持ちを表すには、ここまで述べてきたようなルールに則って手続きを進めることが、相手への敬意になりますので、マナーを守ることも含め、丁寧に進めていってください。
くれぐれもケンカ別れで、いまの職場を退職しないようにしましょう。