みなさんは、透析看護にどのようなイメージを持っていますか?
同じ病院内にあっても、一体何をしているのかわかりにくい透析室。
でも、実は魅力がいっぱいで、案外はまる人も少なくありません。
今回は、透析看護師に向いている人の特徴を紹介していきたいと思います。
透析看護師が向いている人の特徴!大変をやりがいに変える方法
透析看護師の仕事ってどんなもの?
透析看護師の主な業務は、血液透析を行うことです。
患者が到着すると、16G前後の太い透析針をシャントと呼ばれる透析用に作った血管に穿刺します。
そして、透析器につないで、血液をろ過するのです。
透析中、患者の血圧が変動しないかなど状態変化を観察します。
透析は2~4時間で終わりますので、終了後は抜針し、片づけておしまいです。
この決まった業務を毎日繰り返すのが、透析看護師の仕事です。
透析のルーチンワークの魅力
上の説明を読んで、退屈な仕事だなと思った人もいるかもしれません。
たしかに、透析の決まり切ったルーチンワークです。
ですが、ルーチン業務は、精神的に大変楽です。
病棟看護、特に急性期病棟の看護業務は、鳴りやまないナースコールへの対応と、緊急入院への対応、検査出しなど、次々と仕事が横から入ってきて、検温や記録さえままならない状況で進んでいきます。
気が付いたら定時で、やっと記録ができるという状況もざらにありますよね。
その点透析看護は、もちろん、事故や急変もありえますが、基本的に決まった時間に始まり、決まった時間に終わります。
いつ終わるかわからない急性期病棟と違い、業務終了後の予定も立てやすいですね。
急性期病棟の多忙さ、雑然さに疲れている人にとっては、透析看護は、一度考えてみる価値があります。
透析看護の奥深さ
透析看護は、患者さんと長い付き合いになります。
中には何十年と通っている人もいます。
命に関わるとはいえ、週に2~3回、どんな状況であっても通い続けるというのは大変なことです。
そのような患者さんを支えるということは、その人の生活全体を把握する必要があります。
透析看護師は、シャントを長く使えるようにするための指導であったり、生活習慣の改善など、透析を安定的に継続していくための条件を整えていく必要があります。
透析導入に至った患者さんの中には、糖尿病などの生活習慣病の結果として、透析をせざるを得ない状況になった人も少なくありません。
そうした患者さんが持続可能な形でできる生活習慣を提案するというのは、その人の性格や、暮らしぶり、日々の体重変化や透析状況などを踏まえて慎重に進めていく必要があります。
こうした繊細な関わりは、急性期を始め、他の看護領域とは違ったやりがいがありますし、本来の看護の力が試されるともいえるでしょう。
専門性の高さ
透析看護は、腎不全状態の患者さんへの関わりですから、透析をしているとはいえ、全身状態の変化をしっかりと観察する必要があります。
相手は、一日中病院のベッドにいる人ではなく、普通の社会生活を送っている人ですし、忙しく働くビジネスパーソンも少なくありません。
患者さん自身も、自分の体の変化には敏感になりますし、それ以上の観察ができなければ看護師としての信頼に関わります。
また、シャントへの穿刺や、透析器の扱いなど、慣れの部分も大きいとはいえ、専門性の高い技術と知識が要求されます。
透析看護分野の認定看護師資格があることからも、専門性が高い分野であるといえるでしょう。
好条件の就職先を得られる
よく、透析室に長くいると、他の病棟や診療科で働きにくくなると言われます。
たしかに、業務の専門性が高い分、病棟での働き方と違ってくる部分はあるでしょう。
しかし、だからといって、なにか不利益があるわけではありません。
透析看護自体、看護の本質を踏まえていますし、一人ひとりの患者さんと長期間にわたって関わるという経験は、様々な看護分野で役立つ視点を得られます。
また、単純に転職などで職場を探す場合には、病院でもクリニックでも、透析看護師のニーズは高いといえます。
決して良いことではありませんが、透析患者は30万人以上おられ、透析は絶対に行わなければならないからです。
透析経験の豊富な看護師は、専門のクリニックからもぜひ来てほしい人材だといえます。
病棟看護師としての経験を重ねるだけでも素晴らしいのですが、透析という分野を絞った場所で専門性を磨くことで、より条件のよい職場で働くという選択肢を広げることもできます。
透析看護のやりがいまとめ
いかがでしたか。透析看護の魅力についてご紹介してきました。
どの分野でもそうですが、専門性を高めるというのは大切です。
透析看護はその価値があります。
慢性期看護の魅力が濃縮されており、専門性も高く、仕事と生活の両立もしやすい。
様々なライフステージにいる看護師が継続して取り組める透析看護に興味をもっていただけたら幸いです。