看護師の離職率は新人看護師7.6%、看護師全体では10.9%(2018年日本看護協会統計)と、10人に1人が辞めている計算になります。
看護師不足が叫ばれる中、看護師は売り手市場であり、転職に困ることはほとんどありません。
そのため、転職を考えることがみなさんの中にもあるかもしれません。
しかし、辞めたいからといつでも辞めたら良いかというとそうでもありません。
辞めるのに適した時期についてみてみましょう。
看護師やめた方がいいタイミングは?転職で幸せになる方法
看護師をやめたいと思うタイミング
看護師として働く中で、日常生活では遭遇することのないことがたくさんあります。
看護師であるからこそそのようなことに遭遇しても頑張ろうと取り組むことができるのですが、看護師も人間ですから、限界があります。
人間関係の問題
看護師といえば切っても切り離せないのが、人間関係です。
医療・看護は1人では行うことができませんから、多くのスタッフの関わりによって成り立っています。
特に看護師はそれらの中心にあり、また仲介者としての関わりがあります。
そのため、同僚をはじめ、医師・コメディカルとのコミュニケーションが欠かせません。
しかし、考え方の違いや認識の違いで衝突して険悪な関係になってしまったり、看護師同志分かりあうことができずに全く連携が取れなかったり、別の人を介してコミュニケーションを取るような人間関係の悪い環境では長くは続けることは困難です。
異動に伴う変化
看護師にとって異動もイベントとして大きなものがあります。
異動に対して肯定的になれない場合も多く、そのような状態での異動は、新しい人間関係の形成や仕事を覚えることにも影響が出てしまいやすく、心身ともに疲労してしまい、さらなる異動や退職・転職につながります。
特に今の部署でモチベーションを持って取り組んでいるスタッフの異動はモチベーションを奪うのに効果絶大であり、異動に対して納得することは難しいと考えられます。
このように病院側の意向とスタッフの意識が一致しない場合は往々にしてマイナスにしか働かないといえます。
さらに、自分の異動でなくとも上司の異動により部署の方針が変わってしまったりと環境が変わる場合があるので、これらも要注意といえます。
新人看護師における問題
新人看護師は就職してから緊張の連続で、日に日に仕事量が増えていき、看護師として働く事が出来るようになっていく実感とともにストレスも増えていくと思います。
そして、成長の程度も個人差がありますから、うまくいかずに繰り返し指導を受けたり、夜勤に入るまで時間がかかってしまったりと同期と比較して自分が劣っているんではないかと考え悩んでしまう新人看護師もいるでしょう。
また、先輩看護師とうまく人間関係が築く事ができずに疎外感を感じて孤立していってしまう場合もあるかもしれません。
とにかく新人看護師は与えられた環境に翻弄されやすいと言え、自分で抱え込みやすいともいえます。
そのため、辞めたいといつ思うかは本人次第となり、その際には決心が固いことが多いといえます。
多忙な業務が続く場合
看護師不足の現場としては、常にギリギリの人数で業務を行っている場合がほとんどだと思います。
常にそのような余裕のない状態で勤務していると、いつ大きな事故が起きるかわかりません。
そして、余裕がないので周りに気を使うことも難しく、事故を未然に防ぐチェック機能が働かない場合もあります。
このような状況で働きたいとは誰も思いませんから、異動や転職を考えるきっかけになるでしょう。
患者の死に直面して
どの領域でも患者の死というイベントは起こりえます。
突然である場合、経過をたどって亡くなられる場合とさまざまですが、看護師にとっても患者の死は大きな影響を与えます。
急変など突然の場合には、自分が何かもっとできたことはなかったかと後悔の念を持つ場合が多く、その後悔に潰されそうになり、業務にならない場合もあります。
そのような経験をしたスタッフには休養が必要な場合もありますし、働く環境を変えて気分転換を必要とすることもあります。
転職するのにベストなタイミング
すべての看護師に転職を勧めるわけではありません。
しかし、今の職場での仕事に何かしらの疑問や不満を持ち続けて働くことは精神衛生上良くはありません。
ですが、いきなり辞めるのも社会人として無責任ですから、一番良いと考えられる時期を見てみましょう。
年度末
年度末は退職者が多い時期であり、引き継ぎなどもスムーズにいくため、退職しやすいといえます。
また年度末である3月末に退職することで、4月から新しい職場に転職する場合も新人看護師などと同期になるため、転職先への入り方もスムーズと言えます。
ボーナスを受け取った後
ボーナス時期は病院によって多少異なりますが、夏は6月~7月、冬は12月が一般的です。
看護師にとってもボーナスがあるとないとでは金銭的に全然違ってきます。
そのため、辞めると決意したのであれば、ボーナスを受け取ってからということを考えるのも生活していく意味で必要といえるでしょう。
特に、転職先が決定していない看護師であれば尚更受け取ってから退職する方が利口といえます。
求人が増える時期
ボーナス支給後は求人が増える傾向があります。
ボーナスを受け取った後に退職するスタッフの補充として求人が出るためです。
つまり、ボーナス後の退職と併せて検討することが賢いといえます。
求人が増えるということは選択肢が増えるので優良な求人に出会える可能性が高くなります。
異動時期
人事異動が行われる際には退職を行いやすいと言えます。
決まった異動時期がある病院であれば、早めに退職の意思を伝えることで人員調整の異動も加味され、退職に対する職場へのフォローが受けられやすく、スムーズな退職が出来るといえます。
この場合の問題点は、異動時期が不明、または自分が異動人事の当事者である場合です。
この場合は退職を決めたらより早く上司に相談・報告することが必要になります。
それを怠ると評価にも響きますし、退職時期の工面も難しくなる場合があります。
やめたいと思ったらいつでも
円満に退職(転職)を行うことを目的に話してきましたが、全ての看護師が円満にとは難しいものがあります。
どうしても無理と感じ、自分の安全のためにやむを得ない事情の場合は早急に退職する行動を取るようにしましょう。
看護師の転職のタイミングまとめ
退職・転職に関して一般的に良いタイミングがありますが、あくまで参考程度であり、あなた自身が感じた時が最良のタイミングであると思います。
その時にこの記事があなたの看護師人生の参考になればよいと思います。