透析室って一体どんなところなんだろう?
ストレスは多いんだろうか?
どんな人が向いてるんだろうか?
病棟看護師にはなじみの薄い透析室ですが、意外と働きやすい一面もあります。
看護師にとって大変な部分も含めて、どんな人が透析室に向いているか紹介していきたいと思います。
透析看護師が抱えるストレスは?向いている人はどんな人?
透析看護師の仕事とは?
透析看護師は、患者の透析を最初から最後まで管理します。
透析器の回路を組み立てて透析液を充填します。患者が到着したら、体重とバイタルを測定して、順番にシャントに穿刺し、除水を開始します。
透析中、患者の状態に異常はないか、透析は順調に進んでいるかを観察します。
透析が終了すれば、回路内の血液を返血し、抜針します。
血圧変動などを確認し、体重を測定してもらい、問題なければ終了です。
この一連の流れを複数人の患者に対して同時に行います。
一人当たり1回3~4時間です。午前と午後と2クール程度行う施設が多いと思いますが、2クール目は準夜に近い形になる場合もあります。
他の時間は、カンファレンスだったり、患者への指導などに使います。
このように、透析看護師は、透析という決まった業務を安全に遂行し、異常があれば速やかに対処するのが仕事です。通常、臨床工学技士と一緒に協力して仕事しています。
透析看護師が抱えるストレスとは?
では、透析看護師はどのようなストレスを抱えがちなのでしょうか。
ひとつは、業務に関するものです。
透析器という機械の操作やシャントへの穿刺、透析に関する専門的な知識と技術は、一般的な病棟ではあまり関わらない専門性の高い領域です。
透析室に配属されてしばらくは、こうした慣れない知識・技術の習得にストレスを感じると思います。
ただ、経験を繰り返すうちに、必ず慣れて来ますし、知識も徐々についてきます。
もうひとつは、人間関係です。
スタッフ間でいうと、透析室はワンフロアで行う施設が主流だと思いますので、否応なしに他のスタッフの動きが見えてしまいます。
互いの状況を把握しやすく、協力体制を取りやすいというメリットはあるのですが、反対に仕事の遅いスタッフや、対応のよくないスタッフの様子もよく見えてしまいます。
取り立てて問題があるという場合でなくても、気にくわないと感じるスタッフもおります。
日々のことですから、一度関係がこじれると修復が難しい側面もあります。
同じことが患者との関係についても言えます。
透析患者は一生透析を続ける必要があり、週に3回ほど通わなければなりません。当然、透析室の事情に熟知し、スタッフの人間関係や誰の穿刺がうまいかなども把握しています。
ですから、なかには、穿刺に失敗したことを責め立て、スタッフを変えろと怒る患者もいます。
そこまで行かなくても、一旦関係性が崩れると戻すのが難しいという状況がありますので、そうならないように、患者とのコミュニケーションには気を遣う必要があります。
とはいえ、大方の場合は、お互いに気心が知れて来ますし、信頼関係も構築されていきます。
シャントの具合や、穿刺の部位などもお互いよく分かっていますので、大きなトラブルになることは少ないといえます。
どんな人が向いている?
透析室のストレスについて述べてきましたが、実は、意外と幅広い方にお勧めできるのが透析室です。
専門知識や人間関係にまつわるストレスは、他の部署でも大きくは変わりません。
もちろん、透析室特有のものはありますが、看護師全体の仕事を見渡してみたときには微々たる違いです。
それ以上に、透析室で働くメリットはあります。
まず、一般的に残業が少ないでしょう。
透析自体がほぼ時間通り終わりますので、イレギュラーは少ないといえます。
これは、病棟での残業や夜勤の多忙さに疲れた看護師には朗報ではないでしょうか。
子育て中の看護師にとっても残業の少なさは重要な要素だと思われます。
また、他の領域だと、どうしても施設独自のやり方が多くなってしまいがちですが、透析室については、透析のやり方自体は、全国共通です。
引っ越しなどで職場を変えた際にも、透析室や透析クリニックであれば、業務にもすぐ慣れますし、就職先からも重宝されるでしょう。
あれこれ就職先を悩まなくても、透析室一択で高待遇を狙うことができるのです。
透析看護自体の魅力も大きいと思います。
特に慢性期看護に興味がある人にとっては、透析患者とのかかわりはおすすめです。
年齢やライフステージも様々ですし、透析に対する思いも千差万別です。
一人ひとりに合わせた生活指導をすることが求められますし、質の高い生活指導は、明らかにシャントの寿命や、全身機能の維持に貢献します。
透析看護士のストレスまとめ
透析看護は、実に奥深く、一旦、知識と技術を習得すれば、仕事を楽しむことができます。
スキルアップになるのは、間違いないです。
様々なライフステージにある看護師が無理なく働き続けられるという点も大きな魅力です。
興味を持たれた方は、ぜひ一度、透析看護にチャレンジしてみてください!