いまだに存在する看護師のお礼奉公。辞めるに辞められないという方もいるかと思います。
そんな方に向けて、お礼奉公を気にせず、2か月で退職する方法をご紹介したいと思います。
看護師2ヶ月で辞めるには?お礼奉公も考慮してうまく辞める手段
新人看護師として期待に胸を膨らませて入職したにもかかわらず、あまりのギャップに辞めたい人もいるかと思います。
残念なことではありますが、長い人生を考えると、自分にあった職場で働けた方がよいでしょう。
今回は、そんな人に向けて、2カ月で辞める方法をご紹介したいと思います。
入職したばかりで辞めたくなる理由
看護師は慢性的に人手不足ですから、就職に困ることはありません。
とはいえ、実習での様子と、実際に働いてみた感じのギャップは少なくないはずです。
どんな仕事でも理想と現実のギャップがあります。
看護の業界でも、こんな風に看護を実践したいという思いが、教育課程の中に反映されていますが、それがそのまま看護現場に当てはまるわけではありません。
看護の仕事は、医師や施設の方針に大きく左右されてしまう傾向があります。
また、管理職の理想はあっても、現場のスタッフの実状とは離れていることもよくあります。
ですから、よかれと思って入職しても、実際には、全然違うということが起こるのです。
たとえば、患者さんとゆっくり話ながら、思いをかなえて行きたいと思っていたのに、実際はルーチン業務に追われ、まるで作業のように一日が過ぎていくことにショックを受ける人もいます。
あるいは、忙しい現場で、殺伐と働く先輩看護師の姿に付いていけないこともあるでしょう。
侵襲的な検査や、患者さんの死に耐えられないという人もいるでしょう。
現場に放り込まれた最初の1カ月で、膨大な業務を覚えなければならない状況は、心身に大変な負担を与えます。
もっとゆっくり働きたい、ついていけないと思う人が出てきても不思議ではありません。
辞めると伝えると怒られるか
「辞めたい」と上司に申し出ると、怒られるのではないかと思う人もいるでしょう。
たしかに、中にはそのような上司もいるかもしれません。
「社会人としてどうのこうの」とか「他の人も頑張っているのに」といったことを言ってくる人もいるでしょう。
しかし、私自身中間管理職という立場ですので、わかるのですが、多くの場合は頭から怒るようなことはしません。
なぜなら、新人看護師が、入職直後に大きなギャップを感じやすいことを知っているからです。
ですから、まずはあなたの体調を心配します。
新人とひとくくりにいっても様々な人がいます。
元々病院でバイトしていた人や、何でも卒なくこなす人、ゆっくりと仕事を覚えていく人など、一人ひとり違います。
ですから、あなたがもし「辞めたい」と言ってきた場合は、「どういうところがしんどいのか」を想像します。
そして、もし、心身のバランスを崩すほどなのであれば、少し仕事を休むことを提案したり、仕事量を減らすことを提案します。
もう少し管理者目線で話すと、病院では、新人看護師を育成することは、重要な事業です。
もし、入職した新人が次から次へと辞めていくのでは、その病院の教育体制がおかしいということになります。
ですから、新人が辞めたいと言った場合は、何がよくないのか、職場環境としておかしいところはないかも考えるのです。
こうした管理者目線をお伝えしても、あなたの辛さは改善されないと思いますし、職場環境が劇的によくなることはありません。
とはいえ、師長などの上司が、どんなことを考えているかを知っておいて損はないと思います。
辞める方法
さて、では、実際にどのような手順を踏めば辞めることができるでしょうか。
単に辞めたいと伝えた場合、先ほど述べた理由から、上司に思いとどまるよう説得されると思います。
怒られるのではなく、あなたの将来を心配するという観点から、仕事量の調整や、プリセプターの変更、休職や異動といった選択肢が提示されるでしょう。
もし、それであなたがもう少し頑張ってみようと思えるなら、それはそれでいいと思います。
ですが、もう絶対に辞めると決意しているのであれば、曖昧な態度を示さずに、退職の意向を明確に伝えましょう。
ある意味ここは根比べになりますが、「自分にはここは合わない」という1点を繰り返し伝えるしかありません。
大切なことは、ルールに則って退職手続きを進めることです。
就業規則では、1カ月前までに退職の意向を伝えるよう定めてあることが多いと思います。
まずは、就業規則を確認してみてください。
2カ月で辞めるのであれば、最初の1カ月が過ぎる前に、退職届を上司に提出します。
退職届の書き方は、インターネットで調べて出てくるような一般的な書き方で構いません。
忘れてはいけないのは、いつ辞めるかを書いておくことです。
4月入職で、4月中に辞める意志を固めたのであれば、4月30日までに退職届を提出します。
そこで、5月31日を以て退職する旨を明記しておきます。
上司が退職届を受け取らないというのは、ルール違反です。
もし、そのような態度を取られたら、最終的には、メールを送るとか、内容証明郵便を送るという手段をとる必要があります。
退職するかしないかはあなたの自由ですので、それを誰かが止めることはできないという点をおさえておいてください。
奨学金の返済をどうするか
ある程度の規模の病院では、学校に行くための奨学金を貸与する代わりに、自施設で3~5年間働くことで、返還を免除するという制度を敷いているところも多いでしょう。
そうした制度を利用している人にとっては、その期間内で辞めることのハードルが特に高くなってしまいます。
入職2カ月で辞めるとなると、ほとんど全額の返済を求められることになります。
これは、契約ですから、なんとか返済するしかありません。
とはいえ、一気に返済するだけの経済的余裕がある人は、ほとんどいないと思います。
現実的な対応としては、分割で返済させてもらうよう交渉する、一旦親などに返済を依頼するといった手段が考えられます。
念のため、キャッシングローンなどを利用して返済するのは絶対に辞めてくださいね。
利息が大変なことになってしまいますから。
もう一つの手段として、転職先の病院に返済をお願いするという方法があります。
これは、あまり一般的ではないようですが、看護師転職サイトなどを利用して転職先を探すと、このような対応をしてくれる病院があるようです。
これも、結局転職先の病院に借金を肩代わりしてもらうようなものなので、あまり気持ちのよい解決策ではありませんが、実際にそのような病院があるかは、まずは転職サイトのエージェントに確認してみてください。
看護師がお礼奉公を気にせず退職する方法まとめ
ルール上の退職は、定められた期間までに退職の意向を伝えるというシンプルなものなのですが、実際の退職に伴うやりとりは大変なものです。
施設側としても辞めてほしくないので、あの手この手で対応してくると思います。
しかし、それはいずれもあなたの感情に働きかけて、辞めにくい状況を作っているだけです。
あなたが本気で辞める決意をしているならば、そうした上司の対応を気にせず、ルールに沿って退職届を提出しましょう。
奨学金の返済は、本当にやっかいな問題ですが、これも、変に負い目を感じずに、現実的な返済方法の交渉をしましょう。
退職の手続きは、孤独になりがちです。
家族や、場合によっては弁護士に相談するなどして、しっかりと相談できる人をつくりましょう。