病棟のスタッフにとって、師長の存在は大きいですよね。
そんな師長からパワハラを受ければ、心身ともに疲弊して、毎日職場に行くのさえしんどくなってしまいます。
しかし、パワハラは耐え忍ぶものではなく、適切な相談場所で相談をし、解決していくことが大切です。
今回は、そんなときの相談場所についてご紹介していきたいと思います。
看護師師長のパワハラに耐えるな!相談できるところを見つける方法
看護師長のパワハラ:パワハラの定義
まずは、パワハラの定義を確認しておきましょう。
厚生労働省によると、職場のパワーハラスメントの定義は以下のようになります。
同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為。
ここでの職場での優位性とは、上司と部下との関係で使われる場合が多いですが、先輩・後輩間や同僚間、さらには部下から上司に対して行われるものもあります。
「職場内での優位性」には、「職務上の地位」に限らず、人間関係や専門知識、経験などの様々な優位性が含まれます。
また、業務の適正な範囲に関連して、上司は自らの職位・職能に応じて権限を発揮し、業務上の指揮監督や教育指導を行い、上司としての役割を遂行することが求められます。
業務上の必要な指示や注意・指導を不満に感じたりする場合でも、業務上の適正な範囲で行われている場合には、パワーハラスメントにはあたりません。
職場のパワーハラスメント対策は、そのような上司の適正な指導を妨げるものではなく、各職場で、何が業務の適正な範囲で、何がそうでないのか、その範囲を明確にする取組を行うことによって、適正な指導をサポートするものでなければなりません。
「あかるい職場応援団」https://www.no-pawahara.mhlw.go.jp/foundation/definition/aboutから一部を改変引用
看護師師長からのパワハラ例
病院などでは、「教育」や「指導」の名のもとに、厳しい口調や冷たい態度が是認される風潮がまだ根強くあります。
患者の命を預かる仕事だから厳しくて当然とばかりに、一般社会では考えられないような社会性を欠いた関係が生まれることがあるのです。
つまり、パワハラ加害者自身が自覚なく、むしろ善意だったり、正当なものとしてパワハラを行っている場合があるということです。
では、師長からのパワハラにはどんなものがあるでしょうか。
・特に思い当たる理由がないにも関わらず、それまでやっていたリーダー業務を外された。
・ミスに対して、スタッフの前で執拗に怒鳴られ、人格攻撃をされた。
・正当な理由もなく、通常の看護業務から外され、雑用しかさせてもらえない。
・長時間労働を強要される。
・職場の飲み会などに誘われない。
・望んでもいないのに、一方的に看護師に向いていないと退職を強要されそうになった。
・暴言暴力を振るわれる。
いかがでしょうか。
こうやって書き出すと、ひどいなと思うのですが、案外これに近いことが病棟で見られるのではないでしょうか。
こうしたパワハラに加えて、セクシャルハラスメントや、マタニティハラスメントとセットになって起こることもあります。
パワハラではないかと思ったときはどうするか
こうしたパワハラの解決を求める際に難しいのは、パワハラの実態が見えにくいことです。
客観的な証拠がないと、それは指導の一環ではないかとか、被害者側の思い過ごしではないかといった風に流されてしまいます。
パワハラだと感じたときは、労働問題に詳しい弁護士に相談するのがよいでしょう。
パワハラを立証するために必要な証拠の集め方などの助言を受けることもできます。
基本的にはしっかりと記録を残すことが重要です。
録音や、いつ、どこで、誰に何をされたかを詳細にメモしておくことで、証拠として利用できる場合があります。
あるいは、そもそも自分が置かれた状況がパワハラだと気づいていない方もいるかもしれません。
パワハラによってメンタルが不調になっている方も少なくないでしょう。
まずは、信頼できる人に相談するということが大切です。
決して、一人で解決しようとか、自分が悪いなどと抱え込まないでください。
弁護士への相談などのハードルが高い場合は、臨床心理士などにまずは悩みを聞いてもらうところから始めてもよいと思います。
看護師師長のパワハラまとめ
パワハラはまだ一般的にされておらず、職場で横行していると考えられます。
看護の職場は慢性的に人手不足で忙しく、そのうえ人の命を預かっている緊張感から、厳しい指導がされがちです。
それが正当な範囲なのであればよいのですが、度を越した指導がなされる場合も起こります。
その境界線が曖昧な状態があります。職場選びの際にも、どこまでが職務なのかを明確にしている職場を選ぶのがよいでしょう。
だれもがパワハラのない働きやすい職場で働けるようになりたいですね。最後まで読んでいただきありがとうございました。